スマホをしまった弥生は、再び立ち上がって窓へ向かった。
カーテンを開けて外を見ると、ここは16階だった。
それから部屋のドアの方へ歩き、ドアを開けると、そこには不安そうな表情を浮かべた友作と、ホテルの出入口にいる二人の屈強な男たちの姿が目に入った。
どの方向にも逃げ道がない。
弘次は実質的に彼女を「軟禁」していた。
弥生は怒りを抑えきれず、友作に向かって言い放った。
「......外に出たいんだけど」
友作は困ったように苦笑した。
「霧島さん、それはちょっと......飛行機の移動でお疲れかと思いますし、黒田さんからもゆっくり休んでいただきたいと伺っておりますので......今はご遠慮いただければと」
「......それは本当に私の疲れを心配してるから?それとも軟禁?」
「な、なんですか、軟禁なんてご冗談を......黒田さんはただ、霧島さんの体調を......」
「要するに、外には出さないってことよね?」
友作はもう何も言えなくなった。
弥生は彼の目前で、バタンとドアを勢いよく閉めた。
そしてソファへ戻り、穏やかに眠る二人の子どもたちの顔を見つめながら、少しずつ冷静さを取り戻していった。
必ず何か方法があるはず。あきらめちゃだめ。助けを呼ばないと。
弥生はさっき差し戻したSIMカード入りのスマホを手に取り、ホテルのフロント番号を探してかけてみた。
繋がった!
思わず弥生は心の中で息を呑んだ。
つまり、彼女が連絡しようとしていた一部の人たちだけが制限されているのだろう。
弘次がどんな手段を使ったのかは分からないが、SIMカードを替えれば、外と繋がる可能性があると直感した。
通話の向こうから、英語が聞こえてきた。
「お電話ありがとうございます。ご用件をお伺いします」
心臓がひとつ跳ねたような感覚のまま、弥生はバルコニーへと歩いた。
「ハロー、ピザ一枚注文をお願いできますか?」
テーブルの上を一瞥し、ピザが置いていないことを確認したうえで注文する。
「ピザですね。かしこまりました。他にご注文はありますか?」
一品だけじゃ怪しまれるかもしれない。
弥生はすぐさま、テーブルにない他の料理もいくつか挙げ、さらには海外ではあり得ないような日本料理を追加し、ホテルスタッフを困惑させた。
「申し訳ありませんが、お客様がおっし